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種卵の選び方:孵化率を決めているのは何か

記載の出典をもとに作成し、編集部が内容を確認しています。 · 最終更新:

種卵選びの中心には、少し居心地の悪い事実があります。選べない唯一のものが、いちばん重要なものだということです。その卵が有精卵かどうかは、外からは分かりません。殻を見ても、入卵前に検卵しても、水に沈めても、振ってみても分かりません。最初の確かな答えが出るのは、孵卵5〜7日目の検卵です。

ですから選別の段階でやることは、すべて一つの目的のためにあります。**そこにいるかもしれない胚を守ること。**洗わない、冷やさない、長く置きすぎない、そして孵卵器が扱えない卵を外す。

この枠組みを持っておくと、以下の決まりごとは覚えるべきリストではなく、当然の帰結として理解できます。

🐣 要点
有精かどうか外からは不明。検卵は5〜7日目
重さ(鶏)最低50g、理想は58〜61g
群の日齢22週未満の鶏の卵は使わない
保存最長7日 · 16〜18℃ · 湿度75%前後
置き方とがったほうを下に、1日1回転がす
禁止洗うこと。冷蔵庫に入れること
市販の卵孵らない。有精卵表示でも冷蔵されている

まず群を見る、卵ではなく

選別は、最初の一個を手に取る前から始まっています。卵がどれほど完璧に見えても、群の状態が悪ければ孵化率は上がりません。

雄鶏がいて、比率は適切か。雄がいなければ受精しません。実務上は雄1羽に雌8〜12羽が目安です。雄が少なすぎれば受精率が落ち、多すぎれば雄同士が争ってやはり落ちます。

群は十分に成熟しているか。日齢22週未満の鶏の卵は小さく、孵化率が明らかに劣ります。産み始めたばかりの卵を入卵するのは、初心者がいちばんよくやる失敗のひとつです。

**群は健康で、飼料は適切か。**カルシウム不足は薄く脆い殻に、たんぱく質とビタミンの不足は弱い胚につながります。殻の質は飼料をそのまま映します。

採卵の回数は。最低でも1日2回。巣箱に長く残った卵は汚れ、しかも温かいままなので、こちらが意図しないうちに不均一な初期発生が始まってしまいます。

重さと形

孵卵器は一定の範囲を想定して作られています。その外に出ると、孵らないか、弱い雛になります。

鶏卵の重さ:

重さ判断
50g未満入卵しない。雛が小さくなりすぎる
50〜57g使える
58〜61g理想帯 — 孵化率も雛の質も最良
62〜70g使えるが孵化率は下がりはじめる
70g超除外。二黄卵の可能性が高い

**二黄卵は決して入卵しません。**一つの殻の中に二つの胚がいても、場所も栄養も足りず、健全に孵ることはほとんどありません。異常に大きく細長い卵は二黄卵であることが多いものです。

**形:**正常な卵形のみ。次は外します。

  • 極端に丸い卵(気室が正しい位置にできません)
  • 極端に細長く、とがった卵
  • 両端が似ている左右対称の卵
  • 明らかな変形、稜、くびれのあるもの

理由は生物学的であると同時に機械的でもあります。自動転卵装置はこうした卵を正しく回せず、胚の位置がずれてしまうのです。

孵卵の全期間を通じて、殻は胚の唯一の防具です。だから選別がいちばん厳しいのがここになります。

**ひび割れは不可。**毛髪状のものも含めてです。**暗い部屋で強い懐中電灯に一個ずつかざしてください。**ひびは細い明るい線として浮かびます。入卵前にできる検査としてはこれが最も有用です。

**薄い殻は外します。**異様に明るく透け、大きさのわりに軽い卵は殻が薄い証拠です。孵卵器の高温多湿では水分を早く失い、細菌の侵入も許します。

**ざらつき、石灰質、紙やすり状の殻は外します。**気孔の構造が不規則で、水分損失を制御できません。

**ひどく汚れた卵は外します。**土が少しついている、羽根が一本ある程度なら問題ありません。糞が付着した卵は処分します。孵卵器は細菌にとって理想的な環境で、汚染卵が一個破裂すればロット全体を巻き込みます。

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種卵は絶対に洗いません。殻の表面にある天然の層、クチクラが細菌の侵入を防いでいます。洗うとこれが失われ、しかも水が気孔から内部に引き込まれます。求めていることの正反対です。軽い汚れは乾いた細目のサンドペーパーか乾いた布でそっとこすってください。湿った布も使いません。本当に汚れている卵は諦めます。一個を救うためにロット全体を危険にさらす価値はありません。

保存:ここで孵化の大半が失われる

採卵から入卵までの時間は、形や重さを合わせたよりも孵化率に効きます。

**期間:最長7日。**最初の一週間は、孵化率が新しい卵とほとんど変わりません。7日目を過ぎると毎日少しずつ下がり、**2週間を超えて保存した卵はほとんど孵りません。**原因は胚が死ぬことではなく、ビタミンが分解し、内部の卵膜が構造を失うことにあります。

**温度:16〜18℃。**この帯が肝心です。これより暖かいと胚が不均一に発生しはじめ、孵卵器に入る前に消耗します。冷たすぎれば細胞が傷みます。

**湿度:75%前後。**乾いた空気では気孔から水分が失われ、気室が想定より速く大きくなります。

**置き方:とがったほうを下に。**気室は丸いほうにあります。とがったほうを下に向ければ気室は上に保たれ、卵黄は中央に留まります。

**転卵:1日1回。**保存中の卵は卵黄がゆっくり殻のほうへ沈み、卵膜に癒着することがあります。トレーの片端を本などに載せ、毎日左右を入れ替えるだけで十分です。一個ずつ回す必要はありません。

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種卵を冷蔵庫に入れてはいけません。冷蔵庫はおよそ4℃で運転されており、この温度は胚の細胞を不可逆的に傷めます。一度冷蔵した卵は、実質的に種卵ではなくなります。涼しい食品庫、地下室、空調の効いた部屋の隅などが適切な置き場所です。

輸送されてきた卵

外部から種卵を取り寄せた場合、二つのことが変わります。

孵化率は下がると考えてください。輸送中の振動で気室が剥離したり、卵膜が緩んだりします。送られてきた卵では50%前後が普通とされます。自分の群から採った卵の数字と比べてはいけません。

**寝かせるのは必須です。開梱したら、卵をとがったほうを下にして室温に置き、12〜24時間まったく動かさないでください。**気室が落ち着くための時間です。届いた卵をそのまま入卵すると、孵化率は目に見えて下がります。

開梱したらすぐ、一個ずつ検卵してください。輸送によるひび割れと、剥離した気室・動く気室はこの段階で見つかります。気室が剥離した卵は、通常は立てたまま転卵せずに孵卵します。

市販の卵はなぜ孵らないのか

日本では少し事情が異なるので、丁寧に分けて説明します。

多くの国では「市販の卵は無精卵だから孵らない」で話が終わります。しかし日本では**有精卵として売られている卵が実際にあります。**平飼いなどで雄鶏を入れている生産者のものです。

それでも、**その卵も孵らないと考えてください。**理由は受精の有無ではなく、流通の温度にあります。日本の鶏卵は洗卵され、GPセンターから店頭まで冷蔵で流通します。4℃前後を経た時点で胚は発生能力を失っています。加えて洗卵によりクチクラも失われています。

つまり日本では「無精卵だから」ではなく「冷蔵されているから」孵らないのです。種卵は、雄鶏のいる群から、冷蔵を経ずに直接譲り受けるのが唯一の道になります。

食べるための卵を選ぶ話は別の作業で、規則も違います。卵の選び方にまとめてあります。

入卵直前の最終確認

孵卵器に入れる数分前に、三つだけ行います。

  1. **検卵する。**ひび、気室の位置と安定、内部の暗い斑点や血輪。
  2. **印をつける。**片面にX、反対面にO。手で転卵する場合、これがないと分からなくなります。
  3. **温度をなじませる。**涼しい保管場所からいきなり37.5℃には入れません。室温で6〜8時間置くと、殻の結露を防ぎ、温度差の衝撃を和らげられます。

よくある質問

種卵はどう選びますか? 雄鶏のいる22週齢以上の群から、清潔でひびのない正常な卵形、58〜61gの卵を選び、16〜18℃でとがったほうを下にして最長7日まで保存します。

入卵前に有精卵かどうか分かりますか? 分かりません。検卵でも水でも振っても不可能です。孵卵5〜7日目の検卵で初めて見えます。

種卵の重さはどのくらいが適切ですか? 鶏なら最低50g、理想は58〜61g。70gを超えると二黄卵であることが多くなります。

何日まで保存できますか? 最長7日です。その後は毎日下がり、2週間を超えるとほとんど孵りません。

保存温度は? 16〜18℃、湿度75%前後。冷蔵庫の温度は胚を殺します。

種卵は洗いますか? 洗いません。クチクラが失われ、水が気孔から入ります。

冷蔵した卵を孵卵できますか? できません。4℃前後は胚の細胞を不可逆的に傷めます。

スーパーの有精卵は孵りますか? 孵りません。受精していても冷蔵流通を経ているため、胚は発生能力を失っています。

二黄卵は入卵できますか? できません。一つの殻に二つの胚が入る場所も栄養もありません。

雄鶏1羽に雌は何羽? 実務上は8〜12羽です。

保存中の卵は転卵しますか? はい、1日1回。トレーの片端を毎日交互に持ち上げれば十分です。

送られてきた卵はどうしますか? とがったほうを下にして室温で12〜24時間静置し、その後検卵してから入卵します。

汚れた卵を掃除して使えますか? 軽い汚れなら乾いた状態でこすって使えます。糞が付いたものは使いません。汚染卵一個でロット全体が台無しになります。

小さい卵は孵りますか? 孵ることはありますが、雛は小さく弱くなります。50g未満は入卵しません。

産み始めの卵は使えますか? 分の悪い賭けです。群は最低22週齢であるべきです。

入卵前に温めるべきですか? はい。涼しい場所から出した卵は室温で6〜8時間置きます。

出典

  1. H&N International — Hatching egg management(重量範囲、群の日齢、殻と形による選別)。https://hn-int.com/hatching-egg-management-2/
  2. Brinsea — Egg storage and handling(保存温度、湿度、期間、転卵)。https://www.brinsea.com/t-eggstorage.aspx
  3. Hatchability.com — 種卵の保存条件。https://www.hatchability.com/storage-conditions.html

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